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禁煙のすすめ

歯周病の発症・進行に、喫煙が強い悪影響を及ぼしていることが明らかになっています。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べて2~3倍歯周病にかかりやすく、2倍も多くの歯を失っているというデータがあります。
さらに、喫煙本数と比例して歯周病が重症化することもわかっています。
では、なぜタバコが歯周病を悪化させてしまうのでしょうか?タバコの煙に含まれる有害物質に、ニコチンと一酸化炭素があります。
ニコチンにより、①歯周病細菌と戦う白血球の機能が低下、②歯周組織に酸素や栄養を供給する血管の収縮、③歯周組織を修復するために必要な線維芽細胞の働きの抑制などが起き、一酸化炭素により、④歯と歯肉の境目(歯肉溝)の中の酸素が不足し、酸素が嫌いな歯周病細菌にとって増殖しやすい環境になるなどの要因があげられます。

禁煙後、数勝間以内に歯肉の血流量などが非喫煙者のレベルまで上昇し回復します。
しかし、歯周病に対する喫煙のリスクが低下するには年月が要します。
ただ、禁煙期間の長さとともにリスクは低下します。
非喫煙者のリスクを1とすると、禁煙2年以内では3.22、11年以上禁煙すると1.15まで下がり、非喫煙者とほぼ同じレベルになると報告されています。
また、20~49歳で6年以上禁煙すると、喫煙が原因で歯周病になる割合が5%以下であるのに対して、50歳以上では、13年以上の禁煙でも約10%までにしか低下しません。
若いうちに禁煙をはじめ、禁煙期間が長いほど、歯周病治療や予防に効果的なのです。

タバコは歯周病以外にもいろいろな悪影響を及ぼします。
タールによって、歯が汚れたり、メラニン細胞が活性化されメラニンが沈着し、歯肉が黒くなることもあります。
また、舌の表面の舌苔(ぜったい)にタールの物質が沈着し、ひどい口臭の原因になります。
さらに、舌の表面をタール等が覆い、味覚を鈍麻させます。
味が感じにくくなると、味付けの濃いものに食事が偏り、高血圧などの生活習慣病の原因にもなります。
舌がんなどの口腔がんの原因であるとも言われています。

禁煙し、正しいプラークコントロールを行い、適切な歯科治療を受けることで、歯周病を大幅に改善させることができます。
歯周病の改善だけでなく、口腔がんのリスクも下がり、口臭が減る、食べ物がおいしく感じられるなど、禁煙することの利点はたくさんあります。
禁煙することを真剣に考えてみませんか?

月間 糖尿病ライフ「さかえ」5月号より引用