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ここで、楽器の種類別にスプリントの役割と形状を示してみます。
まず、リムと前歯列によって支えられる唇が振動して音を発する金管楽器について述べます。 前歯列が凸凹になっていると、吹奏時、タンギング・リップスラーの困難、高音域の持続困難、唇の循環障害による早期バテなどの障害を招くと言われています。もちろん、きれいな歯並びでないといい音が出せないということではありませんし、個性的な歯並びが奏者の独特の音色や音質を生み出しているとも言えます。 しかし、前歯の凸凹があると唇が均等に振動できないというのは事実です。そこで、その凹みを埋めようというのが金管用スプリントの目的です。 ただ、テューバなどのマウスピースの大きい楽器では、少し目的が異なります。これらの楽器では前歯よりも奥歯の凸凹が吹奏に影響し、ここでは詳しく述べませんが、これは唇の振動ではなく、空気の流れに関係するものです。しかし、スプリントはこの場合にも応用できます。
次に木管楽器の中のリード楽器について述べます。 ここでは、あえてシングルリードとダブルリードを区別せずに話を進めます。 吹奏楽部に所属する学生さんが下顎前歯にテープをはさんで吹いている姿をよく目にします。これは主に口唇が傷付くのを防ぐために使用しているのですが、ここで忘れてならないのは、吹奏時、下唇がリードの振動を司る重要な役目を果たしているということです。金管奏法の場合、唇の力を抜くことが必須条件であるように、リード楽器で丸みを持った美しい音を出すためには、いかに下唇を柔らかく保ちながら吹くかということが重要になります。 私自身リード楽器(サクソフォーン)を吹いていて、下顎前歯の乱杭歯のため、かなり苦労をしてきました。そこで、様々な材料でスプリントを作製しながら試行錯誤した結果、現在の形状・厚み・弾性のスプリントを考案しました。
最後に、下唇のくぼみにリップシールドをあてて音を出すフルートについて述べます。 この楽器では、上下口唇の間から送り出された空気(気柱)の流れが下顎前歯列に衝突し、その先端を通り抜け、下唇上部を経てリップシールドに流れます。直接楽器に触れているのは下唇だけなので、下の前歯の歯並びが大きく影響することになります。
スプリントの形状は、基本的にはリード楽器と同じですが、気柱の流れをガイドするのが目的ですので、弾性はリード楽器のそれより低くてもよいようです。
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