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前回のコラムで予告したとおり、今回は屋久島から帰るときの話をします。
3泊4日の旅行の間、3日目までは好天に恵まれ、前回コラムに載せたリバーカヤックまでは順調に予定を消化していました。
しかし、友達から「明日帰れるの?」というメールが来るくらい地図上では迫っていたのです、台風10号が・・・。
多少風が強いかなという感はありましたが、本当に好天だったのですよ。
でも、リバーカヤックからホテルに戻ったときには、屋久島から鹿児島に向かう高速船はすでに欠航し、翌日の欠航も決定していました。
そして、天気予報を見て、さらに焦りました。
着実に台風は西に進み、屋久島へ迫っていました。
鹿児島から屋久島へ向かう飛行
機は左の写真のようなものです。
定員は70人あまり。
そうです、屋久島から出る手段はこの小さな飛行機しかなくなったのです。
しかも、お盆休みの真っ只中で、予約は満席状態、それすら飛ぶかどうかもわからないという状況でした。
帰りの便は午後3時、それまでに欠航になったら・・・深まる不安を煽るかのように夜中になると雨風は強くなってきました。
「朝一番の飛行機で屋久島を脱出しよう!」
そう決意して私は、午前4時に子供をホテルに残したまま、キャンセル待ちをするために空港へと向かったのです。
しかし、そこにはすでに4人の人影が暗闇に浮かんでいました。
それから整理券を手にするまで約4時間。
徐々に伸びていく列、白々と明けていく空、あかの他人どおしが交わす会話、こんな経験は今後もきっとないだろうと思います。
第1便の出発時刻は午前9時35分。
その15分前からキャンセル待ちしている人の番号が呼び出され始めました。
整理番号「1・2」はカップル、「3・4・5・6」は家族連れ、そしてうちの番号は「7・8・9」
3人一緒に乗れたらいいけど、1人か2人だったらどうしよう・・・。
子供を先に乗せるべきか、その場合1人だけだったらお兄ちゃんにしようか、妹にしようか。
私は明日から診療だから、後はお兄ちゃんに任せて私が先に帰らなければならないだろうか。
その時、母親としての立場と歯科医師としての立場でずいぶん悩みました。
最初に呼び出されたのは「1番から5番まで」
私の前に並んでいた家族に「早く乗れてよかったですね」と声をかけたら、「一人だけ残るんですよ。お願いしますね」とお父さんに言われ、その時には「任せてください。一緒に鹿児島に行きます」とすっかり昔からの知り合いのような親近感を持っていました。
一緒にキャンセル待ちをしたというだけなのに、、不思議なことに“同志”のような気分になっていました。
結局、追加で呼ばれて、第1便に乗ることができたのですが、屋久島を飛び発ったとき、「これで帰れる」と本当にホッとしたことは一生忘れないでしょう。
ところで、台風10号は、屋久島の東、種子島の東海上で90度北に進路を変えたため、屋久島からの飛行機は全便欠航せずに飛んだそうです。
エー、そんなー。
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